2026.07.29(水曜日)
令和8年7月28日に開催された「第75回 中央最低賃金審議会」において、令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安について、答申の取りまとめが行われ、その内容が厚生労働省から公表されました。
答申のポイントは、次のとおりです。
●ランクごとの目安
地域別最低賃金額〔時給で表示されるルールとなっている〕の各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円。
注.都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCの3ランクに分けて、引上げ額の目安を提示している。現在、Aランクは東京都などの6都府県、Bランクは福岡県などの28道府県、Cランクは沖縄県など13県となっている。
この目安によると、全国加重平均の上昇額は55円(昨年度〔実績〕は66円)となります。これを引上げ率に換算すると4.9%(昨年度〔実績〕は6.3%)となります。
●目安とおりに改定が行われた場合
仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合、令和8年度の地域別最低賃金額の全国加重平均は、1,176円となります(現在1,121円)。
これを、地域別にみると、最も高い東京都が1,280円(現在1,226円)、最も低い沖縄県、宮崎県、高知県が1,079円(現在1,023円)となります。
今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります(適用は、令和8年10月頃から)。
目安は決定されましたが、ここ数年は、目安を上回る改定が相次ぎ、また、適用開始時期が大幅に遅れる地域も出るといった状況ですので、今後の動向から目が離せません。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74920.html
2026.07.29(水曜日)
令和8年7月29日付けの官報に、高額療養費制度の見直しを盛り込んだ「健康保険法施行令等の一部を改正する政令(令和8年政令第240号)」が公布されました。
令和8年8月1日及び令和9年8月1日からの高額療養費制度の見直し(高額療養費算定基準額の引上げ、年間上限の創設、所得区分の細分化など)については、事前に改正内容が公表されていましたが、この改正政令が根拠となります。
詳しくは、こちらです。
<健康保険法施行令等の一部を改正する政令(令和8年政令第240号)>
https://www.kanpo.go.jp/20260729/20260729g00169/20260729g001690008f.html
※直近30日分の官報情報は無料で閲覧できます。
また、同日、この改正に関する省令事項などを定める改正省令も公布されました。詳しくは、こちらです。
<健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第117号)>
https://www.kanpo.go.jp/20260729/20260729g00169/20260729g001690150f.html
※直近30日分の官報情報は無料で閲覧できます。
なお、正式に改正政省令が公布されたことに伴い、高額療養費制度を利用される皆さまに向けた厚生労働省の専用ページも更新されました(令和8年7月29日更新)。ご確認ください。
<高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚労省)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
2026.07.22(水曜日)
令和8年7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)」が閣議決定されたことはお伝えしましたが、具体的にどのような方針が掲げられたのでしょうか? 企業実務や社会保障制度に影響がありそうなものを抜粋しておきます。
●賃上げ環境整備より
・2029年度までの間で、日本経済全体で、実質賃金で年1%程度の上昇、すなわち、持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着させる。
・最低賃金については、2020年代に全国平均1,500円という高い目標(骨太方針2025)の達成に向け、官民でたゆまぬ努力を継続し、労働生産性の継続的な向上を図ることで、遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成する。
●人材力の強化・人材総活躍より
・労働力供給制約下での雇用保険制度における対応の在り方について、2026年内を目途に結論が得られるよう検討する。
・労働時間法制等に係る政策対応について、夏以降の労働政策審議会において議論を行う。
●医療・介護等より
・医療保険制度では、70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提として、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う。そのための改革工程表を2026年末までに策定する。
・介護保険制度では、2割負担の判断基準の見直しについて2026年度中に結論を得る。
・さらに、医療・介護保険における金融所得・資産の扱い、OTC類似薬の保険給付の見直しの施行とその状況等を踏まえた2027年度以降の対象範囲の拡大に向けた検討など、「改革工程」128等に基づく取組を進める。
●新たな予算編成の在り方と令和9年度の基本方針より
社会保障関係費については、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針の下、現場の人材確保、経営の安定、サービスの質の確保等の観点から、医療、介護、保育、福祉等の公定価格等における適切な対応を図りつつ、国費だけではなく、給付費全体、公費・保険料負担、現役世代の可処分所得などを踏まえ、給付と負担の改革を継続する。
どのように具体化が進められるのか、動向に注目しましょう。
〔確認〕 経済財政運営と改革の基本方針2026 「責任ある積極財政」元年 ~日本の挑戦を起動する!~(令和8年7月21日閣議決定)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2026/decision0721.html
2026.07.22(水曜日)
令和8年7月21日、「規制改革実施計画」が閣議決定されました。
規制改革推進会議において、「規制改革推進に関する答申」(令和8年6月29日規制改革推進会議決定)が内閣総理大臣に提出されましたが、その答申等を踏まえ、対象となった規制や制度、その運用等について、直ちに改革に着手し、期限を定めて着実に実現を図っていくため、今回の規制改革実施計画が定められました。
たとえば、次のような規制改革の実施事項が示されています(主要なものを抜粋)。
……【 】は、主な措置時期等
□ 1年単位の変形労働時間制における労働日等の特定の在り方【令和8年検討開始、結論を得次第速やかに措置】
建設業や運輸業など季節によって繁閑の差が大きい業界で活用が推進されている1年単位の変形労働時間制について、使用者による勤務シフトの確定・変更ルールを柔軟化し、悪天候や工期遅延など突発的な事象に対応しやすくする。
□ 裁量労働制の適用対象業務の在り方【令和8年検討開始、結論を得次第速やかに措置】
健康確保、長時間労働防止、適切な処遇確保などの濫用防止措置を前提に、業務の遂行手段や時間配分の決定を労働者に委ねる裁量労働制の対象の在り方について見直しを行う。
□ シフト制における適正な年次有給休暇の取得等【令和7年度検討開始、結論を得次第速やかに措置等】
パートタイム労働者等の働き方として取り入れられているシフト制の有給休暇に係る法令等の解釈を明確化するとともに、必要な周知を徹底することで、労働者による適正な有給休暇の取得と使用者による適正な管理を推進する。
□ オンラインによる労働条件の明示方法の見直し【令和8年度検討・結論、結論を得次第速やかに措置】
テレワークなどの多様な働き方やデジタル社会などに適合させる観点から、労働者に過度な負担を課すことなく、より円滑に電子メール等の送信の方法で労働条件等を明示を可能とする。
□ 在留管理制度の運用の適正化【令和8年度検討開始、結論を得次第速やかに措置】
在留資格「技術・人文知識・国際業務」による外国人の適正な受入れに向けて、その資格に適合した業務に適正に従事させるため、指針の明確化等を図ることで、外国人との秩序ある共生社会の実現につなげる。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和8年「規制改革実施計画」(令和8年7月21日閣議決定)>
本文:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/program/260721/01_program.pdf
概要:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/program/260721/02_point.pdf
主要事項説明資料:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/program/260721/03_initiatives.pdf
2026.07.17(金曜日)
令和8年7月10日に、「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律」が成立したことはお伝えしましたが、その改正法が、令和8年法律第60号として、令和8年7月17日の官報に公布されました。
この改正法には、遺族補償年金等における支給要件等の見直し(男女差解消)、労災保険給付請求権等の消滅時効期間の見直し、特別加入団体の要件の法定化等、社会復帰促進等事業に関する決定への不服申立てに係る審査請求先等の見直しといった内容が盛り込まれています(これらについては、令和9年4月1日施行)。
また、労災保険の適用事業に関する暫定措置の廃止という内容も盛り込まれています(これについては、公布の日〔令和8年7月17日〕から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日施行)。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第60号)>
https://www.kanpo.go.jp/20260717/20260717g00160/20260717g001600035f.html
※直近30日分の官報情報は無料で閲覧できます。
なお、同日、この改正法を周知するための通達が発出されましたので、それについても紹介しておきます。
<労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律の公布について(令和8年基発0717第2号)>
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260717K0030.pdf
参考までに、この改正法の案が国会に提出された際の資料も紹介しておきます(修正されることなくこの案のとおりに成立)。
<労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案>
概要:
https://www.mhlw.go.jp/content/001686244.pdf
法律案要綱:
https://www.mhlw.go.jp/content/001686248.pdf
法律案案文・理由:
https://www.mhlw.go.jp/content/001686250.pdf
法律案新旧対照条文:
https://www.mhlw.go.jp/content/001686251.pdf
2026.07.17(金曜日)
厚生労働省から、年金局の新着の通知(令和8年7月15日掲載)として、「国民年金法施行令等の一部を改正する政令及び国民年金法施行規則等の一部を改正する省令の公布について(令和8年障発0715第2号・年発0715第1号)」が公表されました。
これは、20歳前の傷病による障害基礎年金及び特別障害給付金の支給を制限する所得基準額並びに障害・遺族年金生活者支援給付金の支給要件である所得基準額をそれぞれ見直すことなどを内容とする「国民年金法施行令等の一部を改正する政令(令和8年政令第226号)」及び「国民年金法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第113号)」が公布されたことを受け、その内容を周知するためのものです。
たとえば、20歳前の傷病による障害基礎年金の所得基準額ついては、令和8年10月1日から、それまでの「3,761,000円」が「3,858,000円」に、それまでの「4,794,000円」が「4,918,000円」に改められます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<国民年金法施行令等の一部を改正する政令及び国民年金法施行規則等の一部を改正する省令の公布について(令和8年障発0715第2号・年発0715第1号)>
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260715T0010.pdf
2026.07.13(月曜日)
令和8年7月10日、参議院本会議において、「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律」が可決・成立しました。
この改正法には、遺族補償年金等における支給要件等の見直し(男女差解消)、労災保険給付請求権等の消滅時効期間の見直し、特別加入団体の要件の法定化等、社会復帰促進等事業に関する決定への不服申立てに係る審査請求先等の見直しといった内容が盛り込まれています(これらについては、令和9年4月1日施行)。
また、労災保険の適用事業に関する暫定措置の廃止という内容も盛り込まれています(これについては、公布の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日施行)。
参考までに、この改正法の案が国会に提出された際の資料を紹介しておきます(修正されることなくこの案のとおりに成立)。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案>
概要:https://www.mhlw.go.jp/content/001686244.pdf
法律案要綱:https://www.mhlw.go.jp/content/001686248.pdf
法律案案文・理由:https://www.mhlw.go.jp/content/001686250.pdf
法律案新旧対照条文:https://www.mhlw.go.jp/content/001686251.pdf
また、連合(日本労働組合総連合会)がコメントを発していますので、紹介しておきます。
<労災保険法等改正法の成立に対する談話(事務局長談話)>
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1409
2026.07.10(金曜日)
厚生労働省は、育児休業等給付の申請手続きについて、事業所等の事務負担の軽減を図るため、令和8年8月1日から、出生時育児休業給付金の申請時に申告する賃金、出生後休業支援給付金の配偶者の確認書類、育児時短就業給付の支給要件の確認について、事務取扱いの見直しを行うということです。
同省から、その内容を周知するため、雇用保険被保険者・人事労務担当者・社会保険労務士の皆さまに向けたリーフレットが公表されています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<リーフレット「令和8年8月1日から育児休業等給付の申請手続きを見直します」>
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001720846.pdf
2026.07.09(木曜日)
日本年金機構から、従業員50人以下の事業主の皆さまに向けて、「2026年10月1日から短時間労働者の社会保険料負担を支援する制度が始まります」として、「保険料調整制度」のお知らせが行われています。
〈補足〉社会保険料とは、健康保険・厚生年金保険の保険料を指します。
この制度は、原則として、今後、社会保険の適用拡大により短時間労働者が加入対象となる事業所を対象として、新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者が就業調整せず働けるよう、制度の利用から通算3年間、対象となる従業員の社会保険料を軽減するものです。
事業主は軽減分を一時的に負担することになりますが、一定期間経過後に、事業主が支払う保険料からその分を全額控除するため、最終的に事業主が納付する保険料は増えないことになります。
また、従業員が将来受け取る年金額にも影響はありません。
詳しくは、こちらをご確認ください。
<チラシ「保険料調整制度のお知らせ」>
https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/santei.files/tirashi_tyouseiseido.pdf
2026.07.01(水曜日)
令和8年12月に行う年末調整においては、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正といった令和8年度税制改正による改正規定が適用されます。
この改正に伴い、たとえば、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」などの様式の変更も行われます。
国税庁では、先に、「変更を予定している年末調整関係書類(事前の情報提供)」として、主要な様式の案を紹介していましたが、この度、それらの確定版も含め、令和8年分の年末調整のための各種様式を公表しました(令和8年6月30日公表)。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和8年分 年末調整のための各種様式>
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/mokuji.htm
〔確認〕令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等については、早めにチェクしておくようにしましょう。
<国税庁の専用ページ>
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026kiso/index.htm