法改正情報INFORMATION

いわゆる共働きの場合における被扶養者の認定について(厚労省)

2021.05.14(金曜日)

厚生労働省から、新着の通知として、「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について(令和3年4月30日保保発0430第2号・保国発0430第1号)」が公表されました(令和3年5月12日公表)。
 
夫婦共同扶養の場合(いわゆる共働きの場合等)における被扶養者の認定については、令和元年に成立した健保法等の一部改正に対する附帯決議として、「年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払いを強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること」が付されていました。
これを踏まえ、これまでの通達(昭和 60 年通知)を廃止することとし、新たな取扱基準を定めた通達を発出したということです(適用は、令和3年8月1日から)。
 
新たな取扱基準のポイントは、次のとおりです。
●夫婦とも被用者保険の被保険者の場合には、以下の取扱いとする。
(1) 被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。以下同じ。)が多い方の被扶養者とする。

(2) 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。

(3) 夫婦の双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべき者に係る扶養手当又はこれに相当する手当(以下「扶養手当等」という。)の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。
なお、扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由に被扶養者として認定しないことはできない。

(4) 被扶養者として認定しない保険者等は、当該決定に係る通知を発出する。当該通知には、認定しなかった理由(年間収入の見込み額等)、加入者の標準報酬月額、届出日及び決定日を記載することが望ましい。
被保険者は当該通知を届出に添えて次に届出を行う保険者等に提出する。

(5) (4)により他保険者等が発出した不認定に係る通知とともに届出を受けた保険者等は、当該通知に基づいて届出を審査することとし、他保険者等の決定につき疑義がある場合には、届出を受理した日より5日以内(書類不備の是正を求める期間及び土日祝日を除く。)に、不認定に係る通知を発出した他保険者等と、いずれの者の被扶養者とすべきか年間収入の算出根拠を明らかにした上で協議する。
この協議が整わない場合には、初めに届出を受理した保険者等に届出が提出された日の属する月の標準報酬月額が高い方の被扶養者とする。
標準報酬月額が同額の場合は、被保険者の届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。なお、標準報酬月額に遡及訂正があった結果、上記決定が覆る場合は、遡及が判明した時点から将来に向かって決定を改める。

(6) 夫婦の年間収入比較に係る添付書類は、保険者判断として差し支えない。

 その他、「夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合の取扱い」、「主として生計を維持する者が健康保険法第 43 条の2に定める育児休業等を取得した場合の取扱い」なども定められています。
 
 夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定は、令和3年8月以降は、この新しい取扱基準に基づいて行われることになりますので、各企業におかれましても確認しておきたいところです。
 
 詳しくは、こちらをご覧ください。
<夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について(令和3年4月30日保保発0430第2号・保国発0430第1号)>
 https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210512S0010.pdf

順次、押印欄の無い様式に更新 「令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も(国税庁)

2021.04.28(水曜日)

国税に関する法令に基づき税務署長等に提出する申告書等(税務関係書類)については、これまで提出者等の押印をしなければならないこととされていましたが、令和3年度税制改正により、令和3年4月1日以降、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類などの一定の書類を除き、押印を要しないこととされました。

国税庁からは、令和3年4月1日以降の手続に際しての留意点が、次のように公表されています。

⑴ 国税庁ホームページに掲載している申告書等の様式については、順次、押印欄の無い様式に更新しています。

 押印欄のある様式についても、引き続き印刷して御使用いただけますが、この場合も、引き続き押印を求めることとされている手続を除き、押印欄への押印は不要です(以下(2)(3)においても同じ)。

⑵ 税務署窓口にて備置き又は配布している様式については、当面の間、既に刷成済みの押印欄のある様式も使用しておりますので、御了承ください。

⑶ ホームページ掲載様式や税務署で配布する様式が押印欄の無いものに更新された後であっても、過去に入手又は印刷した押印欄のある様式を使用していただくことは差し支えありません。

⑷ 押印が不要である税務書類について、任意で押印していただいても差し支えありませんが、押印の有無によって効力に影響が生じるものではありません。

⑸ 振替依頼書やダイレクト納付利用届出書については、金融機関からの求めに応じ、引き続き金融機関届出印(銀行印)の押印をお願いしています(e-Taxを利用して提出される場合は押印が不要です。)。

 上記⑴で、「国税庁ホームページに掲載している申告書等の様式については、順次、押印欄の無い様式に更新しています」としていますが、 

たとえば、「令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」についても、押印欄の無い様式に更新されたものが公表されました。

 詳しくは、こちらをご覧ください。

<税務署窓口における押印の取扱いについて>
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r02/oin/index.htm

<令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(押印欄の無い様式)>
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/r3bun_01.pdf

「令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし」を掲載(国税庁)

2021.04.27(火曜日)

国税庁から、「令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし」が公表されました(令和3年4月26日公表)。

令和3年度の税制改正のうち、源泉所得税関係の主な改正事項が紹介されています。

主要な改正項目は、次のとおりです。
1 税務関係書類における押印義務の見直し
 税務署長等に提出する源泉所得税関係書類について、押印を要しないこととする。

2 給与等の支払を受ける者が給与等の支払者に対し電磁的方法で申告書の記載事項を提供する場合の税務署長の承認の廃止
 給与等の支払を受ける者が、給与等の支払者に対し、給与所得者の扶養控除等申告書などの一定の申告書の書面による提出に代えてその申告書に記載すべき事項を電磁的方法で提供する場合の要件である「税務署長の承認」を不要とする(令和3年4月から)。

3 退職所得課税の見直し
 勤続年数5年以下の役員等以外の退職金について、雇用の流動性等に配慮しながら、退職所得控除額を控除した残額のうち300万円を超える部分について、2分の1課税の適用から除外する(令和4年分以降の所得税に適用)。

4 住宅ローン控除の特例の延長等
 住宅ローン控除の控除期間13年の特例を延長することとする。
 また、この延長した部分に限り、合計所得金額が1,000万円以下の者について面積要件を緩和し、床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅も対象とする(一定の期間に取得した家屋に、令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間に入居した者が対象)。

5 その他

「退職所得課税の見直し」は、解り難い改正といえますが、図解付きの設例を示すなど、丁寧に説明されています。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<「令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし」を掲載しました>
≫ https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0021004-072.pdf

「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」を一部改正 在宅勤務手当等の取扱いを追加(厚労省)

2021.04.06(火曜日)

厚生労働省から、新着の通知(令和3年4月5日掲載)として、『「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」の一部改正について(令和3年4月1日事務連絡)』が公表されました。

今回の改正では、「在宅勤務・テレワークにおける交通費及び在宅勤務手当の取扱い」が追加されています。
具体的には、次の3つの問が追加されています。
問1 在宅勤務・テレワークを導入し、被保険者が一時的に出社する際に要する交通費を事業主が負担する場合、当該交通費は「報酬等」に含まれるのか。
問2 在宅勤務・テレワークの実施に際し、在宅勤務手当が支給される場合、当該手当は「報酬等」に含まれるのか。
問3 在宅勤務・テレワークの実施に際し、在宅勤務手当が支給される場合の随時改定の取扱いはどうなるのか。

また「社会保険料等の算定基礎に係る在宅勤務における交通費及び在宅勤務手当の取扱について」という別紙も添付されています。

これらに回答する形で解説が行われていますので、こちらでご確認ください。
交通費や手当が実費弁償であるか否かがポイントとなっています。

<「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」の一部改正について(令和3年4月1日事務連絡)>
≫ https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210405T0110.pdf

「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」に在宅勤務等の取扱いが追記されました(厚労省)

2021.04.06(火曜日)

健康保険法及び厚生年金保険法の標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務の取扱いについて、
在宅勤務やテレワークにおける交通費及び在宅勤務手当の取扱いについて追加されました。

標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210405T0110.pdf

テレワーク総合ポータルサイト
https://telework.mhlw.go.jp/qa/

電子申請における算定基礎届総括表・賞与支払届総括表の廃止、賞与不支給報告書の新設に対応(日本年金機構)

2021.04.02(金曜日)

 日本年金機構から、「電子申請(e-Gov)における賞与支払届等に係る総括表の廃止及び賞与不支給報告書の新設」などについて、お知らせがありました(令和3年4月1日公表)。

 次のとおり、電子申請(e-Gov)様式の廃止及び新設を行ったということです。

<令和3年3月31日をもって廃止する様式>

〇健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表(2019年5月以降手続き)

〇健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届総括表(2019年5月以降手続き)

〇船員保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届総括表(2019年5月以降手続き)

 また、令和3年4月より「賞与不支給報告書」の新設に伴い、電子申請(e-Gov)による届出が可能となっています。

<令和3年4月1日に新設する様式>

〇健康保険・厚生年金保険賞与不支給報告書

〇船員保険・厚生年金保険賞与不支給報告書

 詳しくは、こちらをご覧ください。

<電子申請(e-Gov)における賞与支払届等に係る総括表の廃止及び賞与不支給報告書の新設について>
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/oshirase/zenpan/20210401.html

<【社会保険関係手続】電子申請の機能改善について>
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/oshirase/zenpan/20190820.html

徴収法改正 令和3年度の年度更新はこの様式です(厚労省)

2021.03.31(水曜日)

 厚生労働省から、「「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則等に規定する届書等の様式について」の改正について(令和3年3月29日基発0329第23号)」という通達が公表されました(令和3年3月30日公表)。

 これは、通達様式の一部を改正するものです。具体的には、労働保険料の申告書の様式が次のように改正されました。【令和3年4月1日施行】

 令和3年度の年度更新では、この様式を用いることになります。

① 徴収則関係様式について
令和2年度から高年齢免除措置が廃止されたことに伴い、徴収則関係様式第6号(甲)について、高年齢免除に係る所要の改正を行った。
② 石綿則関係様式について
令和2年度から高年齢免除措置が廃止されたことに伴い、石綿則関係様式第1号(甲)について、高年齢免除に係る所要の改正を行った。
③ その他文言の適正化等の改正を行った。

 また、令和2年度の年度更新で用いた労働保険料の申告書と比較すると、事業主の押印欄も削除されています。詳しくは、こちらをご覧ください。

<「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則等に規定する届書等の様式について」の改正について(令和3年3月29日基発0329第23号)>
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210330K0020.pdf

・別紙(改正後の徴収則関係様式第6号(甲))
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210330K0021.pdf

・別紙(改正後の石綿則関係様式第1号(甲))
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210330K0022.pdf

令和3年4月から現物給与の価額(食事・住宅)が改正されます(日本年金機構)

2021.03.08(月曜日)

健康保険、船員保険、厚生年金保険及び労働保険においては、現物給与の価額を厚生労働大臣が定めることとされており、「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」として告示されています。

 その内容の一部が改正され、令和3年4月1日から適用されることになったことは、以前にお伝えしましたが、この改正について、日本年金機構から、Q&A付きのわかりやすい資料が公表されました(令和3年3月5日公表)。

 今回の改正は、現物給与の価額をより現在の実態に即したものとするため、「食事で支払われる報酬等」及び「住宅で支払われる報酬等」に係る現物給与の価額を改正するものです。

 標準報酬月額の決定・改定の際に、現物給与として処理している食事代等がある企業では、必ずチェックしておく必要がありますね。  

 詳しくは、こちらをご覧ください。

<令和3年4月から現物給与の価額が改正されます(日本年金機構)>
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150511.files/2021.pdf

令和3年度の雇用保険率が決定(厚生労働省)

2021.02.14(日曜日)

令和3年度の雇用保険率をスッキリとまとめたリーフレット(令和3年度の雇用保険料率について~令和2年度から変更ありません~)が公表されました。詳しくは、こちらをご覧ください。

<令和3年度の雇用保険料率について>
https://www.mhlw.go.jp/content/000739455.pdf

 

令和3年度の雇用保険率が決定し、前年度と同率とされました。

例)一般の事業については、雇用保険率1,000分の9のうち、失業等給付分が1,000分の2(労使折半)、育児休業給付分が1,000分の4(労使折半負担)、二事業分が1,000分の3(事業主負担)となります。

 その結果、被保険者負担分が1,000分の3、事業主負担分が1,000分の6となります。

 ひとまず、官報の該当箇所を紹介させていただきます。

<労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する件(令和3年厚生労働省告示第40号)>
https://kanpou.npb.go.jp/20210212/20210212h00431/20210212h004310006f.html

※直近30日分の官報情報は無料で閲覧できます。

〔参考〕第159回労働政策審議会職業安定分科会(令和3年1月27日開催)の資料No.2-2
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000728124.pdf

※この案のとおりに決定されました。

令和3年3月分(4月納付分)からの協会けんぽ保険料額表が公表されました

2021.02.14(日曜日)

令和2年3月分(4月納付分)からの協会けんぽの保険料率(都道府県単位保険料率・介護保険料率)が決定されたことはお伝えしましたが、この度、それを反映した各支部の保険料額表が公表されました(令和3年2月10日公表)。

 協会けんぽに加入されている場合は、最寄りの支部(都道府県)の保険料額表を確認しておきましょう。

 詳しくは、こちらです。

<令和3年3月分(4月納付分)から協会けんぽの保険料率が改定されます>
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r03/r3ryougakuhyou3gatukara/