国税庁では、令和6年分の所得税に対して実施される定額減税について、特設サイトを開設し、パンフレットやQ&Aなどを公表しています。
そのサイトにおいては、新着情報が随時公表されていますが、令和6年4月11日には、「令和6年分所得税の定額減税Q&A」を更新したとのお知らせがありました。
今回の更新では、たとえば、次のようなQ&Aが追加されています。
問 給与収入以外の所得により、令和6年分の合計所得金額が1,805万円を超えることが明らかであり、年末調整時に定額減税の適用を受けることができないので、月々の給与等から月次減税額を控除しないでほしいという申出が従業員からありました。
この場合、従業員からの申出に従い、月次減税額を控除しなくてもいいですか?
答 給与所得者については、主たる給与の支払者のもとで、令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等に係る源泉徴収において、月次減税額を順次控除することとされています。そして、合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれるかどうかにかかわらず、主たる給与の支払者のもとで、令和6年6月以後の給与等に係る源泉徴収において、控除対象者は一律に減税額の控除を受けることになりますので、控除対象者自身が定額減税の適用を受けるか受けないかを選択することはできません。
なお、上記のような方については、年調減税事務において、精算が行われることになります。
これについては、今回追加されたものではありませんが、次のQ&Aでご確認ください。
問 合計所得金額が 1,805万円を超える人については、年末調整時に年調減税の適用を受けることはできませんか?
答 給与所得者のうち、合計所得金額が1,805万円を超える人については、年調減税の適用を受けることができません。
そのため、給与所得者が年末調整時に提出した基礎控除申告書に記載された令和6年分の合計所得金額の見積額をご確認いただき、年調減税の適用を受ける給与所得者か否かを判定し、合計所得金額が1,805万円を超える人の年末調整においては、年調所得税額から年調減税額を控除せずに年調年税額の計算を行っていただくことになります。
なお、給与収入が2,000万円を超える人については、年末調整の対象となりませんので、確定申告で精算を行うこととなります。
(注1)主たる給与の支払者からの給与収入は2,000万円を超えないが、その他の所得があるために合計所得金額が1,805万円を超える人が、年末調整で年調所得税額から年調減税額を控除しないで計算を行う人になります。
(例:給与収入が1,900万円(給与所得1,705万円)で、不動産所得が200万円である人)
(注2)月次減税額と年末調整時又は確定申告時に算出される最終的な定額減税額との間に差額が生じる場合には、これらの時に精算が行われることになります。
令和6年分の合計所得金額が1,805万円を超えることが明らかな者についても、月次減税事務を行わなければならないというのは、柔軟性に欠け、無駄な作業に思われますが、上記のような国税庁の方針が示されています。
上記はほんの一例ですが、このQ&Aでは、さまざまなケースの取り扱いが取り上げられていますので、ご確認ください。
詳しくは、こちらです。
なお、今回の更新箇所については、目次および本文に、【令和6年4月追加】又は【令和6年4月修正】と付されています。
<「令和6年分所得税の定額減税Q&A」を更新しました(令和6年4月11日)>
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf
〔確認〕定額減税特設サイトのトップページは、こちらです。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm