法改正情報INFORMATION

所得税法

配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しのポイント

2018.04.12(木曜日)

配偶者控除及び配偶者特別控除について、それぞれの控除額と、それぞれの控除の対象となる所得の要件が改正されました(平成30年分の所得から適用)。

まず、改正後の内容の概要をみておきましょう。

① 配偶者控除⇒控除額が改正されたほか、給与所得者の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除の適用を受けることができないこととされました(改正前は、給与所得者の合計所得金額の制限はなし)。

② 配偶者特別控除⇒控除額が改正されたほか、対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされました(改正前:38万円超76万円未満)。

この改正の影響で、毎月の給与計算での所得税の源泉徴収事務において、源泉徴収税額(仮の所得税額)を求める際の「配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法の変更」が行われました。

そして、年末調整においては、実際の所得税額の計算の過程で、新たな規定に従って、配偶者控除又は配偶者特別控除の額を求めることになります。

なお、これらに伴って、各手続に関係する書類についても、所要の改正が行われています。以下で、順を追って紹介します。

 

1 毎月の源泉徴収事務関係

⑴ 配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法の変更

給与所得の源泉徴収税額表の甲欄を使用して給与等に対する源泉徴収税額を求める際の「配偶者に係る“扶養親族等の数”の計算方法」が、次のように変更されることになりました。

平成30年以降に支払う給与等について、給与所得の源泉徴収税額表の甲欄を使用して給与等に対する源泉徴収税額を求める際、配偶者が源泉控除対象配偶者(※1)に該当する場合には、扶養親族等の数「1人」と計算する。

また、同一生計配偶者(※2)が障害者に該当する場合には、扶養親族等の数「1人」と計算する。

(※1)源泉控除対象配偶者とは、給与所得者(合計所得金額〔所得の見積額〕が900万円以下である人に限ります。)と生計を一にする配偶者で、合計所得金額〔所得の見積額〕が85万円以下である者をいう。

⇒改正後の配偶者控除額及び配偶者特別控除額が38万円(老人控除対象配偶者の場合は48万円)となる配偶者がこれに該当。

(※2)同一生計配偶者とは、給与所得者と生計を一にする配偶者で、合計所得金額〔所得の見積額〕が38万円以下である者をいう。

(参考)控除対象配偶者とは、同一生計配偶者のうち、合計所得金額〔所得の見積額〕が1,000万円以下である所得者の配偶者をいいます。また、老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち、年齢70歳以上の配偶者をいいます。

……この区分については、源泉徴収税額の計算における配偶者に係る扶養親族等の数の計算には影響しません(年末調整などで、具体的に配偶者控除額を計算する場合に必要となるものです)。

具体的な扶養親族等の数の計算方法は、次の表のとおりです。

㊟ 給与等に対する源泉徴収税額の計算における扶養親族等の数は、上図により求めた配偶者に係る扶養親族等の数に、控除対象扶養親族に係る扶養親族等の数等を加えた数となります。

 

⑵ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の変更

⑴の改正に伴って、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」について、「控除対象配偶者」の欄を、「源泉控除対象配偶者」の欄に改めるなどの変更が行われました。変更後の様式は次のとおりです。

(以下URLに画像があります)

http://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h30_01.pdf

 

㊟ 「源泉控除対象配偶者」欄には、源泉控除対象配偶者に該当する配偶者がいる場合に、その氏名、フリガナ、生年月日、平成30年中の所得の見積額などを記載します。したがって、配偶者がいる場合であっても、その配偶者が源泉控除対象配偶者に該当しない場合には、「源泉控除対象配偶者」欄への記載は不要となります。

 

2 年末調整関係

⑴ 配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額等の変更

年末調整では、給与所得を求める過程で、要件に該当する配偶者がいる社員については、配偶者控除または配偶者特別控除を行なうことになりますが、その控除額が改正されました。

(以下URLの1ページ目に画像があります)

https://www.nta.go.jp/users/gensen/haigusya/pdf/01.pdf

 

◆ 改正後の配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額 ◆

(以下URLの2ページ目に画像があります)

https://www.nta.go.jp/users/gensen/haigusya/pdf/01.pdf

 

⑵ 各種の書類の変更と配偶者控除の必要書類の変更

① 各種の書類の変更

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のほか、年末調整で用いる各種書類などについて、記載事項の変更等の改正が行われました。

次の表をご覧ください。

改正前

改正後

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

記載事項の変更等を実施

〈補足〉その年の最初に給与等の支払を受ける日の前日までに提出

公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

記載事項の変更等を実施

〈補足〉その年の最初に公的年金等の支払を受ける日の前日までに提出

従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書

従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書

記載事項の変更等を実施

〈補足〉その年の最初に給与等の支払を受ける日の前日までに提出

給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

給与所得者の保険料控除申告書

・「給与所得者の配偶者特別控除申告書」との兼用様式を廃止

〈補足〉その年の年末調整の時までに提出

給与所得者の配偶者控除等申告書

・「給与所得者の配偶者特別控除申告書」を改定

・「給与所得者の保険料控除申告書」との兼用様式を廃止

㊟配偶者特別控除だけでなく、配偶者控除を受けようとする場合にも提出

〈補足〉その年の年末調整の時までに提出

給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿

給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿

記載事項の変更等を実施

〈補足〉給与等の支払者が作成

上記のほか、年末調整の後に作成することになる「給与所得の源泉帳票」についても、平成30年分から、それまでの「控除対象配偶者の有無等」欄を「(源泉)控除対象配偶者の有無等」欄に、「配偶者特別控除の額」欄を「配偶者(特別)控除の額」欄に改めるなどの変更が行われました。

 

 

② 配偶者控除の必要書類の変更

平成30年分から、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」が「給与所得者の保険料申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」に改められ、年末調整において配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けようとする給与所得者は、年末調整の時までに給与等の支払者に「給与所得者の配偶者控除等申告書」を提出することとされました。

 

③ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の様式変更との関係

前述のとおり、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、「源泉控除対象配偶者」の欄が設けられましたが、配偶者がいても、その者が源泉控除対象配偶者に該当しない場合には、その欄への記載は不要です。

源泉控除対象配偶者に該当しない配偶者は、毎月の源泉徴収税額の計算では考慮されませんが、年末調整により配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けられる場合もあります。

具体的には、「給与所得者の配偶者控除等申告書」により、適否や控除額を判断することになります。

給与所得控除額の上限の見直し

2017.10.03(火曜日)

給与所得控除は、平成28年分については、「給与等の金額が1,200万円超の場合」の「230万円」が上限となっていましたが、平成29年分からは「給与等の金額1,000万円超」の場合の「220万円」が上限とされます。
この改正を考慮して、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」も改正されています。

通勤費非課税枠が15万円に引き上げ

2016.04.01(金曜日)

通勤費非課税枠が15万円に引き上げられました。対象となるのは、電車やバスなどの交通機関、有料道路を利用している人に支給する通勤手当、交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券などです。
適用については、平成28年1月1日以降に受けるべき通勤手当に遡って適用されます。

源泉徴収税額表の改正

2015.01.05(月曜日)

所得税法等の一部を改正する法律により平成27年分以後の所得税の税率について、新たに課税所得4,000万円超の区分が設けられ、その税率を45%とすることとされました。
この改正に伴い、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)」及び「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」等が改正されました。
平成27年1月1日以後に支払うべき給与等の源泉徴収の際には、「平成27年分 源泉徴収税額表」を使用してください。

通勤手当の非課税限度額の引き上げについて

2014.10.28(火曜日)

所得税法施行令の一部改正が行われ、交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。(平成26年10月20日施行)
詳しくは下記をご参照ください。

通勤手当の非課税限度額の引上げ
https://www.nta.go.jp/gensen/tsukin/pdf/01.pdf

年末調整で精算する際の源泉徴収簿の記載例
http://www.nta.go.jp/gensen/tsukin/pdf/02.pdf

※平成26年11月9日に実施される試験は平成26年9月1日に施行されている法令等によりますので、この法改正は考慮せずに解答してください。