財務省から、「令和6年度税制改正(令和6年3月)」が公表されました(令和6年4月1日公表)。これは、令和6年度税制改正を盛り込んだ「所得税法等の一部を改正する法律(令和6年3月30日法律第8号)」などが成立したことを受けて、その内容を分かりやすくまとめたものです(先に公表されていた「令和6年度税制改正(案)のポイント」の確定版)。
令和6年度税制改正では、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を上回る持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点から、所得税・個人住民税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等を行うこととしています。
また、資本蓄積の推進や生産性の向上により、供給力を強化するため、戦略分野国内生産促進税制やイノベーションボックス税制を創設し、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化のための措置を講じ、加えて、グローバル化を踏まえてプラットフォーム課税の導入等を行うとともに、地域経済や中堅・中小企業の活性化等の観点から、事業承継税制の特例措置に係る計画提出期限の延長等を行うこととしています。
企業実務や企業経営を行ううえでも、個人所得課税に関する改正(所得税・個人住民税の定額減税など)や法人課税に関する改正(賃上げ促進税制の強化など)は、押さえておきたいところですが、そのポイントが簡潔にまとめられています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「令和6年度税制改正」(令和6年3月発行)>
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei24.html
「所得税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第8号)」、「地方税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第4号)」などの令和6年度税制改正の関連法案が成立し、令和6年3月30日の官報に公布されました。
令和6年度税制改正では、次のような改正を行うこととされていましたが、その根拠となる法令が成立しました。
●賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点から、所得税・個人住民税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等を行う。
●資本蓄積の推進や生産性の向上により、供給力を強化するため、戦略分野国内生産促進税制やイノベーションボックス税制を創設し、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化のための措置を講ずる。
●グローバル化を踏まえてプラットフォーム課税の導入等を行うとともに、地域経済や中堅・中小企業の活性化等の観点から、事業承継税制の特例措置に係る計画提出期限の延長や外形標準課税の適用対象法人の見直し等を行う。 など
これで、所得税・個人住民税の定額減税の実施も正式に決まりましたね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<財務省:所得税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第8号)が成立しました>
・概要:https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/213diet/st060202g.pdf
・要綱:https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/213diet/st060202y.pdf
<総務省:地方税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第4号)>
・概要:https://www.soumu.go.jp/main_content/000939595.pdf
・要綱:https://www.soumu.go.jp/main_content/000939596.pdf
国税庁では、令和6年分の所得税に対して実施される定額減税について、特設サイトを開設し、パンフレットやQ&Aなどを公表しています。
そのサイトにおいては、新着情報が随時公表されていますが、令和6年3月18日には、「令和6年分所得税の定額減税Q&A」を更新したとのお知らせがありました。
今回の更新では、たとえば、次のようなQ&Aが追加されています。
問 令和6年中の所得金額の見積額が900万円超の基準日在職者が、その同一生計配偶者について障害者控除を受けるため、同一生計配偶者の氏名等を扶養控除等申告書の摘要欄に記載しています。このような同一生計配偶者は、月次減税額の計算に含めることになりますか。
答 扶養控除等申告書に記載された同一生計配偶者のうち、月次減税額の計算に含めることができるのは、源泉控除対象配偶者である同一生計配偶者に限られます。
そのため、源泉控除対象配偶者でない同一生計配偶者を、月次減税額の計算に含めるためには、別途、基準日在職者から、同一生計配偶者についての記載がある「源泉徴収に係る申告書」の提出を受ける必要があります。
上記はほんの一例ですが、このQ&Aでは、さまざまなケースの取り扱いが取り上げられています(今後も更新があると思われます)。
減税事務を行う際に役に立ちそうですね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
なお、今回の更新箇所については、目次および本文に、【令和6年3月追加】と付されています。
<「令和6年分所得税の定額減税Q&A」を更新しました(令和6年3月18日)>
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf
〔確認〕定額減税特設サイトのトップページは、こちらです。
令和5年の経済対策に基づき、次のように、「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」が実施されます。
<新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置の概要>
□ 住民税非課税世帯の方へ
世帯主に1世帯あたり7万円と18歳以下の児童1人あたり5万円が給付されます。
【令和5年末から順次給付中】
□ 住民税均等割のみ課税される世帯の方へ
世帯主に1世帯あたり10万円と18歳以下の児童1人あたり5万円が給付されます。
【令和6年2~3月を目途に順次給付開始】
□ 住民税・所得税を納付している方へ
納税者及びその配偶者を含めた扶養親族1人につき、令和6年分の所得税から3万円、令和6年度分の個人住民税所得割から1万円が減税されます。
減税前の税額が少なく、定額減税しきれないと見込まれる方には、定額減税しきれないと見込まれるおおむねの額が1万円単位で給付されます。
【給付については、原則令和6年6月以降自治体に納付いただく令和6年度分の個人住民税額等について自治体が情報を確認した後、給付作業に入ります。】
この「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」について、内閣官房に専用のページが開設されました。
今後、このページにおいて、順次、新着情報も紹介されると思います。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置について掲載しました>
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/benefit2023/index.html
国税庁では、令和6年分の所得税に対して実施される定額減税について、特設サイトを開設し、パンフレットやQ&Aなどを公表しています。そのサイトにおいて、「定額減税に係る源泉徴収事務」の動画が公表されました(令和6年3月8日公表)。
この動画は、令和6年分所得税の「定額減税に係る源泉徴収事務」について、その概要と給与の支払者の皆様に行っていただく手続を説明するものとなっています。なお、この動画は「令和6年度税制改正の大綱」及び「令和6年分所得税の定額減税の給与収入に係る源泉徴収税額からの控除について」に沿って作成したものであり、定額減税の実施については、国会審議を経ることが前提となることに留意して欲しいということです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「定額減税に係る源泉徴収事務」の動画を掲載しました(令和6年3月8日)>
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/douga.htm
〔確認〕定額減税特設サイトのトップページは、こちらです。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm