厚生労働省から、令和6年8月20日開催の「第11回 労働基準関係法制研究会」の資料が公表されました。
この研究会は、厚生労働省労働基準局長が学識経験者の参集を求めて開催するもので、次に掲げる事項について調査・検討を行うこととされています。
①「新しい時代の働き方に関する研究会」報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理
② 働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等の検討
今回の議題は、「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」。
公表されている資料では、これまでの議論を踏まえた労働時間制度等に関する課題が整理され、法制的・政策的な検討や対応の方向性などが示されています。
参考になる資料となっていますので、一読してみてはいかがでしょうか?
詳しくは、こちらをご覧ください。
<第11回 労働基準関係法制研究会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42461.html
賃金の支払方法については、通貨のほか、労働者の同意を得た場合には、銀行その他の金融機関の預金又は貯金の口座への振込み等によることができることとされています。
これらの支払方法に加え、令和5年4月1日からは、使用者が、労働者の同意を得た場合に、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払(いわゆる賃金のデジタル払い)もできることとされました。
この改正の施行後、これまで、資金移動業者の指定は行われていなかったのですが、令和6年8月9日、「PayPay株式会社」に対し、労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号の規定に基づき、資金移動業者の口座への賃金支払いに関する厚生労働大臣の指定を行ったということです。
サービスの開始時期については、同社からの発表を確認して欲しいということです。
なお、賃金のデジタル払いについては、各事業場での労使協定の締結及び労働者本人の同意が必要となります。
〈補足〉賃金のデジタル払いに関する企業における手続としては、法令(労働基準法第24条、労働基準法施行規則第7条の2)においては、「労働者(本人)の同意」を得ることのみが規定されていますが、通達(賃金の口座振込み等について〔令和4年基発1128第4号〕)において、「労使協定の締結」も必要とされていますので、ご注意ください。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)における 資金移動業者の指定>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41528.html
<給与デジタル払いに向けて厚生労働大臣からの指定を受領 年内にすべてのユーザーを対象に「PayPay給与受取」を提供開始予定(PayPay株式会社/プレスリリース)>
https://about.paypay.ne.jp/pr/20240809/01/
〔確認〕賃金のデジタル払い及び指定資金移動業者の詳細については、こちらでご確認ください。
「賃金の支払方法に関する労使協定の様式例」や「令和6年8月掲載のリーフレット」なども紹介されています。
<資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について(厚労省)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html
厚生労働省から、労働基準局の新着の通知(令和6年4月9日掲載)として、「割増賃金の算定におけるいわゆる在宅勤務手当の取扱いについて(令和6年4月5日基発0405第6号)」という通達が公表されました。
この通達では、在宅勤務をする労働者に使用者から支給される「いわゆる在宅勤務手当」について、割増賃金の算定基礎から除外することができる場合を明確化するため、在宅勤務手当のうちどのようなものであれば、合理的・客観的に計算された実費を弁償するもの等として、割増賃金の算定基礎から除外することが可能であるかが示されています。
これまでにも示されていた取り扱いだとは思いますが、今一度確認する意味でも、目をとおしておきたいところです。
ここでは、その一部を紹介します。
●実費弁償の考え方
在宅勤務手当が、事業経営のために必要な実費を弁償するものとして支給されていると整理されるためには、当該在宅勤務手当は、労働者が実際に負担した費用のうち業務のために使用した金額を特定し、当該金額を精算するものであることが外形上明らかである必要があること。
このため、就業規則等で実費弁償分の計算方法が明示される必要があり、かつ、当該計算方法は在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえた合理的・客観的な計算方法である必要があること。
このことから、例えば、従業員が在宅勤務に通常必要な費用として使用しなかった場合でも、その金銭を企業に返還する必要がないもの(例えば、企業が従業員に対して毎月5,000円を渡切りで支給するもの)等は、実費弁償に該当せず、賃金に該当し、割増賃金の基礎に算入すべきものとなること。
上記の内容に続けて、「実費弁償の計算方法」などが示されていますので、こちらでご確認ください。
<割増賃金の算定におけるいわゆる在宅勤務手当の取扱いについて(令和6年4月5日基発0405第6号)>
本文:
別添:
定額減税特設サイト 「年末調整計算シート(令和6年用)」などを掲載(国税庁)
国税庁では、令和6年分の所得税に対して実施される定額減税について、特設サイトを開設し、パンフレットやQ&Aなどを公表しています。
そのサイトにおいて、「年末調整計算シート(令和6年用)」、「各人別控除事績簿(Excel/19KB)」が公表されました。
また、税務相談チャットボットで所得税の定額減税(令和6年分)の相談を開始したとのお知らせもありました。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「年末調整計算シート(令和6年用)」を更新しました>
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/nencho_keisan/index.htm
<「各人別控除事績簿(Excel/19KB)」を更新しました>
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/teigaku/xls/kojo.xlsx
<税務相談チャットボットで所得税の定額減税(令和6年分)の相談を開始しました>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/chatbot/index.htm
〔確認〕定額減税特設サイトのトップページは、こちらです。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm