給与計算実務の経験はないながらも、給与計算実務能力検定に合格し、念願の社会保険労務士事務所への就職を決めたY様にお話を伺いました。
私は、これまで広告会社や学校などで一般事務として働いてきましたが、専門性を身につけて事務職として働きたいと考えていました。
そこで、退職後に簿記会計や社会保険などの実務が学べる職業訓練校に入ったのですが、そこでの目指せる資格として「日商簿記」の他に「給与計算実務能力検定」があり、この検定の存在を知りました。
実務の専門家ということで、いずれ社会保険労務士を目指したいと思っていたこともあり、社会保険労務士の仕事とも深く関わる試験ということで受験を決めました。
社会保険労務士事務所で働きたかったので、いくつか事務所を受けたのですが、この検定試験のことを知っていらっしゃる社会保険労務士の先生も多く、面接では実務経験がなくても、給与計算実務能力検定の勉強をしていてある程度の知識はあることをアピールさせていただきました。その成果もあったと思いますが、実務の経験がまったくないながらも念願だった社会保険労務士事務所に入ることができました。
また、社会保険労務士事務所で働き始めてからも、検定試験で学習した1つ1つが役に立っています。
社会保険労務士事務所ということで、「標準報酬月額」や「36(サブロク)協定」といった実務的な専門用語が日常的に飛び交う職場ですが、こうした言葉の内容も検定試験の学習を通して理解できていましたので、スムーズに仕事に取り組むことが出来ました。
また例えば「就業規則変更届」と一緒に提出する「就業規則意見書」を見て、「これが、検定試験の法的知識の部分で勉強した『従業員の意見を“聴く”』ということか」などわかり、学んだことが実務と繋がっていくことを感じています。この検定で出題されている内容は、実際の仕事で必要な知識が網羅されていることが仕事を始めて理解することが出来ました。
2級・1級とも、市販されている公式テキストと、実務能力開発支援協会の模擬試験講座の模擬試験問題を中心に勉強しました。公式テキスの給与計算演習問題は書き込んでしまうと1回しか使えなくなってしまうので、コピーして確実にできるようになるまで反復して解き続けました。
また模擬試験問題は、1つ1つの選択肢についてどこが違っているのかを理解できるように、繰り返し解きました。
模擬試験問題で出題される傾向がわかりましたし、講座のレジュメに重要ポイントがわかりやすくまとまっていますので、これらを活用することで効率的に勉強し、合格に結び付けられたと思います。
この検定は、保険料の計算や給与明細の見方、年次有給休暇など、働く人にとって身近な話についても仕組みがわかりますので、実務担当者として事務系職種で働きたい人はもちろん、働く人誰にも役立つ知識を学ぶことが出来ると思います。
恥ずかしながら私はこの検定の勉強をするまで、保険料の金額はどうやって決まるのだろう?とか、給与明細の見方もよくわかっていませんでした。給与明細の見方などは、意外と誰も教えてくれないものですので、新入社員の方なども受験してみてもいいのかなと思います。
また資格試験は合格すると嬉しいですし、自信にもなります。この検定は比較的短期間で合格を目指すことも可能だと思いますので、転職や子育てなどでブランクがあって働くのに躊躇があるといった方でも、踏み出す第一歩として資格取得を目指してみるというのもいいのではないでしょうか。給与計算はきちんとしたルールがあって、それを理解すればどの会社でも使えますので、この検定は転職や職場復帰などを考えている方にも役立つ資格だと思います。
※ 掲載内容は2016年6月取材時のものです。