子育てをしながら、給与計算実務能力検定の勉強をし、検定受験の意欲を買われて就職を決めた小松小夜子さんにお話を伺いました。
私はもともと、社会保険労務士受験の勉強をしていたのですが、その勉強中にちょうどこの給与計算実務能力検定ができたことを知り、社会保険労務士の受験知識も生かせると思ったので、初回を受験してみようと思いました。
子育てをしながら、パートで働いているのですが、ちょうど新しい仕事を探していたところだったというのもあります。事務系の仕事に就くには、給与計算ができるというのは大きな強みです。私は過去に総務・人事労務などの管理部門で働いていた経験はあるのですが、給与の実務経験は1年ほどしかありませんでした。その経験にしても、会社固有の勤怠システムを使って、チェック、入力するといった程度のものでしたので、自信を持って給与計算の経験があるというには経験が不足していました。給与計算はソフトが使えても、仕組み自体を理解し、どんな会社の給与計算にも対応できるようにならないと、本当の意味で「給与計算ができる」とは言えません。
この資格はその経験不足を補ってくれるものだと感じましたね。子供のいる女性の場合、仕事に就くのが難しいという現状がありますし、私自身は過去、会社の体制変更などで契約終了となってしまった事が数回あって、経歴が細切れになってしまっているというマイナス点もありました。
それで就職先を探そうにも、面接までたどり着くことが大変でしたので、履歴書に書けるこの検定試験はとても受けたいものでしたね。また、この資格は、面接での強いアピールポイントにもなりました。
検定試験の合格発表より少し前に、会計事務所の給与計算事務の面接を受けました。その際、「こういう給与計算の資格が新しくできて、それを受けて、今、合格発表待ちなんです」というアピールをさせて頂きました。
面接された方は、私の発言を聞いて、「そういう検定試験を受けて、前向きに頑張っているのですね」と真剣さを感じてくれたようです。また、「検定試験のテキストに沿って勉強されたのであれば、一通り給与計算のことはわかっている方なのですね」とプラスに解釈して頂けました。
おかげで無事採用して頂き、今はその事務所でパートとして働いています。そこで引き受けている5社の給与計算は、私が任されて担当しているという状況です。
その日々の業務の中でも、検定受験のための勉強が生きているという実感もあります。テキストに、まさに出てきた端数処理であったり、月額表を使っての所得税の確認作業など、以前は給与ソフト任せだった部分もきちんと分かり、スムーズに給与計算の仕事に携わることができていると感じています。実務だったらどういう風に具体的に計算をやっていくのかという実演問題もすることができたので、それが非常に実際の業務につながりました。
基本的には「給与計算実務能力検定公式テキスト」に沿って、テキストについている問題をすべて解いてというスタイルで勉強しました。最後の1週間は詰めて毎日3~4時間勉強していましたけど、それまでの期間は比較的ゆるやかにテキストを見ながらという感じですね。私の場合、学習期間としては1か月弱くらいだったと思います。
子供がいる女性の場合、同じ会社に長く勤めたいと思っていても、家庭や子どもの状況で仕事のボリュームを変えなければならない、職場を変えなければいけないということが多々あります。
そういうときに、やはり「武器」があるかどうかは重要です。この資格は、履歴書にも堂々と書ける「武器」であると、私は感じています。今後はもっと実務経験を積み、その武器にさらに磨きをかけていきたいです。そうすることで、自分のライフスタイルに合った働き方ができるかなと思っています。今後、検定の1級試験も受験したいです。
この検定は、法律や税金のことについて、会社という現場で、事務として働くために必要な情報が適切にピックアップされています。
私が今、勉強している「社会保険労務士」の資格の場合、獲るためには、やはりかなりまとまった勉強量が必要になります。それに比べると、この給与検定は、短期間集中すれば獲れるレベルのものでありながら、実務にすぐに役立つという意味で、お薦めです。子供の手が少し離れてきて、これから働きたいという方にも、これなら頑張ってみようかなと思えるくらいのちょうどいいレベルの資格だと思いますね。給与計算事務ができると、パートとして融通の効く働き方もできますし、子育てをしながら働く女性にぴったりの資格だと思います。
※ 掲載内容は2014年6月取材時のものです。