検定の活用事例(企業)CASES - Company

企業での活用事例

福留大智様(現在企業の経理課事務/前職は総務課で給与・社会保険担当8年)

アウトプットが合格の「要」。計算問題への集中的学習と、他資格の知識を活かして、学習した経験はこれからも自分の財産に。

福留大智様(現在企業の経理課事務/前職は総務課で給与・社会保険担当8年)
  • 第9回(2017年 11月)給与計算実務能力検定 1級合格
計算問題演習の重点的な学習と、労務系知識の地盤となった他資格の学習を活用し、合格するための学習法を追及して1級合格された福留大智様にお話を伺いました。

「給与検定実務能力検定」を受験しようと思ったきっかけ

私は20代後半から8年ほど、総務課で給与計算と社会保険業務を任されていました。現職では毎月約1,100人の給与計算を担当し、年末調整はこれまでに累計約4,000人の業務経験があります。自身の知識向上に社会保険労務士の資格の学習をしたこともあります。

 

普段から給与・社会保険等の諸法に関する情報収集を心掛けていたこともあり、「給与計算実務能力検定試験」については、2014年3月の第1回の開催時から知ってはいました。すぐに受験はしなかったのですが、試験に興味はあったので、すぐに「給与計算実務能力検定 公式テキスト」を購入し、身近において実務で活用していました。

昨年体調を崩し、療養していた時期があったのですが、その間、改めて自分のスキル・経験を見直しているうちに、自分の能力の具体化とチャレンジを一番の目的として、検定受験を決めました。

 

この検定に合格してよかったこと・試験の学習が役にたったこと

合格したことで、対外的に自分の給与計算実務のスキルを可視化・PRできることが良かったです。社外の人とお話しする機会があった際に、1級合格したことをお伝えすると感心されることもありました。また、自分自身も1級に見合ったパフォーマンスを発揮しなくてはいけないと責任感を持つことができたことも良かったです。同時期に合格した「第1種衛生管理者」との相性も良く、50人未満の中小・ベンチャー系企業からは重宝される様に感じました

検定の学習をすることで、これまで認識していなかったこと・知らなかったことがわかり、自分の得意・不得意を理解することができましたので、業務品質が向上したと思います。また、教材の「公式テキスト」は普段の業務においても使い勝手がよく、後進のOJTにも便利で、実務の上でさまざまな面で役に立っています。

 

検定合格のための学習方法

①「給与計算実務能力検定 公式テキスト」を普段の業務で利用していた

2014年の「給与計算実務能力検定試験」開始当初から、「公式テキスト」は早々に購入していましたので、このテキストを従業員からの問い合わせや解説に使ったり、後輩を指導する時に活用したりしていました。自分自身の業務上の疑問点を公式テキストを読んで解消することも多く、実践を通じて自然と学習を積み重ねていたと思います。

 

②衛生管理者の学習

「給与計算実務能力検定試験」の受験を考え始めた頃、すでに「第1種衛生管理者」の受験準備を始めていたのですが、偶然にも、この2つの試験は労務系の問題がとても似ていると感じました。そこで、まずは「第1種衛生管理者」の試験をパスし、労務系知識の地盤を築くことにしました。個人的な感触ですが、「第1種衛生管理者」の試験の方が深い知識を求められる部分も多く、難しかったので、この選択は正解だったと思っています。

 

③「給与計算実務能力検定対策講座」への参加

 公式テキストや衛生管理者の学習だけでは見えない弱点を発見するため、「給与計算実務能力検定対策講座」に参加しました。講座は大変分かりやすく、実際の問題を通じて全体を俯瞰することができました

この時点で「第1種衛生管理者」に合格していたことやこれまでの給与計算の実務経験もあったので、基礎の部分の理解は網羅できました。

 

④計算問題への集中的な対策

対策講座を受講して、一番の課題は計算問題の設問であると認識しました。アウトプットが合格の「要」になると思います。そこで、計算問題対策を集中的に行うことにしました。もし可能なら講座の教材に問題集のようなものがあったら良いなと思います。最低でも5回分くらいあると、本試験まで演習が出来て理想的だと思います。

知識問題に関しては、「第1種衛生管理者」の学習で築いた知識とこれまでの経験でなんとかなると割り切り、不安はあったのですが、本試験の問題は対策講座や公式テキストの問題の数字や切り口が変わった問題がでると信じて解き方の手順やパターンを覚えこみました

 

⑤学習時間の配分

衛生管理者の労務系の学習に100時間程度かけており、その過程で労務系知識の獲得はできていましたので、純粋に給与計算検定の学習にあてた時間は30時間程度だったと思います。その30時間のうち、大半を計算問題にあて、計算演習を重点的に取り組みました。

実際、受験して分かったことですが、試験時間が足りなかったです。計算問題を相当慎重に対応したこともあったのですが、一通り解き終えたのは終了5分前で見直す余裕はほとんどありませんでした。

私が受験した回の1級合格率は約35%でした。過去の合格率がその倍程度ということから出題が難化傾向にあることや、ファイナンシャルプランナー2級と合格率が同程度であるので、「給与計算実務能力検定試験」1級合格はそう簡単ではない様に思います。

その要因のひとつとして、電卓での手計算がある様に思います。給与計算の経験がある方ならわかるかと思うのですが、普段の給与計算はシステムを用いて行い、電卓での計算は検算・チェックで行う程度です。

「給与計算実務能力検定1級試験」では1円単位の誤差も許されずに正答する必要があります。計算の正確さと速さを要求される点が難易度を上げているように思います。試験当日も含め、計算問題への対応が重要になると思います。

 

最後に、この検定について一言

今回は72点とギリギリの合格でした。

対策講座を受講したことと運の良さで合格に到達できたと思っています。

実務における給与計算は無資格でもできますが、その分経験や勘に依るところもあると思います。今回、新たに体系的に学習できたことは自分のスキルを見直すとても良い機会になりました。また、合格できたことは自分にとって財産と自信になりました。

今後は“1級”に見合うだけの結果を残すことと、信頼を築いていき、検定の地位向上に努めていきたいと考えています。

今、受験を考えている方はまずは受験をしてみてください。

合否に係わらず、その過程で得られる経験は財産になると思っています

※掲載内容は2018年3月時のものです。