2025.01.17(金曜日)
雇用保険では、育児等を行う被保険者を支援するため、育児休業給付(出生時育児休業給付金および育児休業給付金)を支給することとしています。
これに加え、令和7年4月1日からは、出生後休業支援給付(出生後休業支援給付金)、育児時短就業給付(育児時短就業給付金)が創設されます。
これに伴い、これらの給付を合わせたものを、「育児休業等給付」と呼ぶこととされました。
厚生労働省は、この度、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金も含めた「育児休業等給付」の各種情報を紹介する専用ページを設け、公表しました(令和7年1月17日公表)。
このページで、リーフレット「2025年4月から『出生後休業支援給付金』を創設します」や、パンフレット「育児休業等給付の内容と支給申請手続」などが紹介されています。
なお、今のところ、育児時短就業給付金のリーフレット・パンフレットについては、準備中となっています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<育児休業等給付について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135090_00001.html
2024.12.27(金曜日)
令和6年12月27日、「令和7年度税制改正大綱」が閣議決定されました。
財務省から、そのお知らせがあり、その本文と概要をまとめた資料が公表されました。
令和7年度の税制改正では、次のような改正により、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を実現し、経済社会の構造変化等に対応することとされています。
◆物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整対策の観点から、所得税の基礎控除の控除額及び給与所得控除の最低保障額の引上げ並びに大学生年代の子等に係る新たな控除の創設を行う(※1)。……いわゆる「103万円の壁」への対応
◆老後に向けた資産形成を促進する観点から、確定拠出年金(企業型DC及びiDeCo)の拠出限度額等を引き上げる(※2)。
◆成長意欲の高い中小企業の設備投資を促進し地域経済に好循環を生み出すために、中小企業経営強化税制を拡充する。
◆国際環境の変化等に対応するため、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置、グローバル・ミニマム課税の法制化、外国人旅行者向け免税制度の見直し等を行う。
※1 物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応
・所得税の基礎控除について、合計所得金額が2,350万円以下である個人の控除額を10万円引き上げ、58万円とする。
・給与所得控除の最低保障額について、10万円引き上げ、65万円とする。
・居住者が生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族等(その居住者の配偶者及び青色事業専従者等を除くものとし、合計所得金額が123万円以下であるものに限る。)で控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額等から控除額を控除する。
すなわち、親族等の合計所得金額が85万円までは、親等が特定扶養控除と同額(63万円)の所得控除を受けられ、また、親族等の合計所得金額が85万円を超えた場合でも親等が受けられる控除の額が段階的に逓減し、合計所得金額が123万円を超えると消失する仕組みとする。→大学生年代の子等に係る新たな控除〔特定親族特別控除(仮称)〕の創設
注)上記の控除額等については、所得税の場合のもの。
・上記の改正は、令和7年分以後の所得税及び令和8年度分以後の個人住民税について適用する。
※2 確定拠出年金(企業型DC及びiDeCo)の拠出限度額等の引上げ
・第2号被保険者の個人型確定拠出年金(iDeCo)の拠出限度額について、勤務先の企業年金の有無等による差異を解消し、企業年金と共通の拠出限度額(現行:月額5.5万円)に一本化した上で、この共通拠出限度額について、月額6.2万円に引き上げる。
・第1号被保険者の個人型確定拠出年金と国民年金基金との共通拠出限度額(現行:月額6.8万円)について、月額7.5万円に引き上げる。
〔参考〕上記※1により、いわゆる「103万円の壁」は、次のように見直されることになります(所得税について、考え方を簡潔に紹介)。
■所得税がかかるかどうかの「103万円の壁」→「123万円の壁」に
(収入123万円-新・給与所得控除65万円=58万円……新・基礎控除58万円の適用で所得ゼロとなり、所得税がかからない)
■扶養に入ることができるかどうかの「103万円の壁」→「123万円の壁」に
(収入123万円-新・給与所得控除65万円=58万円……要件変更で、合計所得金額58万円までは、扶養親族及び同一生計配偶者に該当)
■旧・特定扶養控除(63万円の所得控除)の扶養に入ることができるかどうかの「103万円の壁」→「150万円の壁」に
(収入150万円-新・給与所得控除65万円=85万円……要件変更で、年齢19歳以上23歳未満の親族等(大学生等)については、合計所得金額85万円までは、63万円の所得控除の対象となる親族等に該当)
……新たに「特定親族特別控除(仮称)」という仕組みを導入し、大学生等の合計所得金額が123万円に達するまで、親等の所得税について、63万円から3万円までの段階的な所得控除を適用。
今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和7年度税制改正の大綱/本文>
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/20241227taikou.pdf
<令和6年度税制改正の大綱/概要>
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/07taikou_gaiyou.pdf
2024.12.25(水曜日)
厚生労働省から、令和6年12月24日に開催された「第24回 社会保障審議会年金部会」の資料が公表されました。
年金部会では、令和2年年金改正法以降の議論や、2024(令和6)年財政検証結果を踏まえ、次の課題への対応を大きな2つの柱として、次期年金制度改革に向けた具体的な見直しの方向性について、精力的に議論を重ねてきました。
●平均寿命・健康寿命の延伸や家族構成・ライフスタイルの多様化、女性・高齢者の就業拡大、今後見込まれる最低賃金の上昇・持続的な賃上げという社会経済の変化に対応する観点から取り組むべき課題
●年金制度が有する所得保障機能の強化の観点から取り組むべき課題
今回の年金部会では、これまでの議論のとりまとめが行われ、「社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)」が提示されました。これは、次期年金制度改革の具体的内容等について、その方向性を示すもので、特に、次のような項目が注目を集めています。
□ 短時間労働者への被用者保険の適用について、企業規模要件(従業員51人以上)および賃金要件(いわゆる106万円の壁)を撤廃する
〈補足〉被保険者となる方の手取りが減らないよう、その保険料の被保険者負担分の一部を企業の判断で肩代わりできる仕組み(就業調整に対応した保険料負担割合を変更できる特例)を導入することについては、意見が一致せず、今後検討を深める
□ 被用者保険の適用について、常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種を解消する
〈補足〉国民年金の第3号被保険者制度をめぐる論点については、国民的な議論の場が必要であるとの認識を共有した。適用拡大を進めることにより、第3号被保険者制度の縮小・見直しに向けたステップを着実に進めるとともに、第3号被保険者の実態も精緻に分析しながら、引き続き検討する
□ 在職老齢年金を見直す(廃止か、基準額の引き上げかについては引き続き検討)
□ 厚生年金保険の標準報酬月額の上限(現行65万円)の改定のルールを見直して新たな等級を追加する
そのほか、「高齢期より前の遺族厚生年金の見直し等」、「年金制度における子に係る加算等」について、次期年金制度改革における方向性が示されています。
なお、「基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了」については、国民にわかりやすく丁寧に説明し、課題についての関係者の理解に努めるとともに、将来の水準確保に向け、経済が好調に推移しない場合に発動されうる備えとしての位置づけの下、さらに検討を深めることとされています。
今後の動向に注目です。詳しくは、こちらをご覧ください。
<第24回 社会保障審議会年金部会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/nenkin_20241224.html
2024.12.25(水曜日)
厚生労働省から、令和6年12月24日に開催された「第16回 労働基準関係法制研究会」の資料が公表されました。今回の会議では、前回に引き続き、「労働基準関係法制研究会報告書(案)」について、検討が進められ、おおむね了承されたようです。
報告書(案)の主たる項目は、次のとおりです。
●労働基準関係法制に共通する総論的課題
1. 労働基準法における「労働者」について
2. 労働基準法における「事業」について
3. 労使コミュニケーションの在り方について
●労働時間法制の具体的課題
1. 最長労働時間規制
2. 労働からの解放に関する規制
3. 割増賃金規制
報道などでは、労働からの解放に関する規制のうち「休日」について、次のような方向性が示されていることが話題になっています。
□ 長期間の連続勤務が生じる可能性がある休日の4週4休の特例を2週2休とするなど、連続勤務の最大日数をなるべく減らしていく措置の検討に取り組むべきである。
□ この点も考慮し、36協定に休日労働の条項を設けた場合も含め、精神障害の労災認定基準も踏まえると、2週間以上の連続勤務を防ぐという観点から、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきであると考えられる。
この報告書に基づいて、今後、労働政策審議会で具体的な内容が議論される予定です。今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<第15回 労働基準関係法制研究会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47873.html
〔参考〕連合(日本労働組合総連合会)の談話
<厚生労働省「労働基準関係法制研究会」報告書に対する談話(事務局長談話)>
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1329
2024.12.24(火曜日)
厚生労働省から、令和6年12月23日に開催された「第201回 労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」の資料が公表されました。
今回の部会で、令和7年度の雇用保険料率(案)が示されたことが話題になっています。
これによると、令和7年度の雇用保険料率については、前年度から0.1%(被保険者負担分0.05%、事業主負担分0.05%)引き下げることとされています。
具体的には、次のような案が示されています(一般の事業について)
〇雇用保険料率(全体) :令和6年度1.55%―引き下げ→令和7年度1.45%
(内訳)
①失業等給付費等充当徴収保険率:令和6年度 0.8%―引き下げ→令和7年度 0.7%
➁育児休業給付費充当徴収保険率:令和6年度 0.4%―据え置き→令和7年度 0.4%
③二事業費充当徴収保険率 :令和6年度0.35%―据え置き→令和7年度0.35%
〈補足〉①及び②は労使折半で負担、③は事業主のみが負担。
法律において、失業等給付費等充当徴収保険率〔失業等給付分の保険料率〕、育児休業給付費充当徴収保険率〔育児休業給付分の保険料率〕、二事業費充当徴収保険率〔二事業分の保険料率〕のそれぞれについて、弾力条項が設けられていますが、令和5年度決算を踏まえ、その基準等に照らして、失業等給付費等充当徴収保険率を0.8%から0.7%に引き下げるということです(他は据え置き)。
正式決定を待ちましょう。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<第201回 労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46928.html
2024.12.23(月曜日)
令和6年12月20日、自民・公明両党は、「令和7年度 税制改正大綱」をとりまとめ、公表しました。
この大綱では、令和7年度税制改正の主要項目及び今後の税制改正に当たっての基本的考え方が示されています。
最も注目を集めているのは、いわゆる「103万円の壁」への対応です。
これに関連するものとして、個人所得課税について、次のような考え方が示されています。
★以上については、源泉徴収義務者の負担にも配慮しつつ、令和7年から適用する。
これらにより、いわゆる「103万円の壁」を、次のように見直そうとしています。
■所得税がかかるかどうかの「103万円の壁」→「123万円の壁」に
(収入123万円-新・給与所得控除65万円=58万円……新・基礎控除58万円の適用で所得ゼロとなり、所得税がかからない)
■扶養に入ることができるかどうかの「103万円の壁」→「123万円の壁」に
(収入123万円-新・給与所得控除65万円=58万円……要件変更で、合計所得金額58万円までは、扶養親族及び同一生計配偶者に該当)
■旧・特定扶養控除(63万円の所得控除)の扶養に入ることができるかどうかの「103万円の壁」→「150万円の壁」に
(収入150万円-新・給与所得控除65万円=85万円……要件変更で、年齢19歳以上23歳未満の親族等(大学生等)については、合計所得金額85万円までは、63万円の所得控除の対象となる親族等に該当)
……新たに「特定親族特別控除(仮称)」という仕組みを導入し、大学生等の合計所得金額が123万円に達するまで、親等の所得税について、63万円から3万円までの段階的な所得控除を適用。
なお、国民民主党が主張する「178万円の壁」にすることについては、今後検討されることになります。
また、個人所得課税について、子育て世帯に対する住宅ローン控除、生命保険料控除の拡充や、企業型・個人型の確定拠出年金の拠出限度額の引き上げなども盛り込まれています。
個人所得課税のほか、法人課税なども含め、さまざまな税制改正の方向性が示されていますが、具体的にどのような形で実施されることになるのか、今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<自民党:令和7年度税制改正大綱>
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/zeisi_2025.pdf
2024.12.13(金曜日)
賃金の支払方法については、通貨のほか、労働者の同意を得た場合には、銀行その他の金融機関の預金又は貯金の口座への振込み等によることができることとされています。
これらの支払方法に加え、令和5年4月1日からは、使用者が、労働者の同意を得た場合に、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払(いわゆる賃金のデジタル払い)もできることとされました。
この度、厚生労働省から、「株式会社リクルートMUFGビジネス」に対し、その指定を行ったとのお知らせがありました(令和6年12月13日公表)。
サービスの開始時期については、同社からの発表を確認して欲しいということです。
これで、賃金のデジタル払いに係る指定を受けた資金移動業者は、2社目となります。
なお、賃金のデジタル払いについては、各事業場での労使協定の締結及び労働者本人の同意が必要となります。
〈補足〉賃金のデジタル払いに関する企業における手続としては、法令(労働基準法第24条、労働基準法施行規則第7条の2)においては、「労働者(本人)の同意」を得ることのみが規定されていますが、通達(賃金の口座振込み等について〔令和4年基発1128第4号〕)において、「労使協定の締結」も必要とされていますので、ご注意ください。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)における資金移動業者の指定(令和6年12月13日)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46646.html
<リクルートMUFGビジネス、「賃金のデジタル払い」で厚生労働大臣による指定受領(株式会社リクルート/プレスリリース)>
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2024/1213_14907.html
〔確認〕賃金のデジタル払い及び指定資金移動業者の詳細については、こちらでご確認ください。
「賃金の支払方法に関する労使協定の様式例」なども紹介されています。
<資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について(厚労省)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html
2024.12.13(金曜日)
協会けんぽ(全国健康保険協会)から、「令和7年度の健康保険の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限」について、お知らせがありました(令和6年12月13日公表)。
協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額は、健康保険法により、次の(1)(2)のうち、いずれか少ない額とされています。
(1)資格を喪失した時の標準報酬月額
(2)前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日時点における全ての協会けんぽの被保険者の標準報酬月額の平均額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額
このため、毎年度(2)の額が、任意継続被保険者の標準報酬月額の上限となります。
その(2)の額が、令和7年度においては「32万円」になるということです(令和6年度の30万円から2万円引き上げ)。
協会けんぽの任意継続被保険者の方の中には、納付する保険料の額や傷病手当金・出産手当金の額が変更される(いずれも金額がアップされる)方もでてきますね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和7年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について>
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g1/r6-12/61210_01/
2024.12.11(水曜日)
厚生労働省から、令和6年12月10日に開催された「第23回 社会保障審議会年金部会」の資料が公表されました。今回の議事は、次のとおりです。
(1) 被用者保険の適用拡大及び第3号被保険者を念頭に置いたいわゆる「年収の壁」への対応について②
(2) 基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了(マクロ経済スライドの調整期間の一致)について②
(3) 遺族年金制度について②
いずれも、報道などで大きく取り上げられていますが、特に、⑴で示された「年収の壁」への対応の方向性が話題になっています。企業実務にも大きな影響を及ぼす内容ですので、現時点で示されている方向性のポイントを紹介しておきます。
□ 短時間労働者の被用者保険の適用範囲について、次のような見直しを行う。
・賃金要件(いわゆる106万円の壁)を撤廃
・企業規模要件(従業員51人以上)を撤廃
〈補足〉労働時間要件(週20時間以上)及び学生除外要件は維持
□ 上記も踏まえ、「就業調整に対応した保険料負担割合を変更できる特例」を導入する。
「就業調整に対応した保険料負担割合を任意で変更できる特例」については、その方向性がまとまってきました(下記参照)。
【見直しの方向性】
○現行制度では、被用者保険の保険料は原則として労使折半であるが、厚生年金保険法においては健康保険法のような保険料の負担割合の特例に関する規定はない。被用者保険の適用に伴う保険料負担の発生・手取り収入の減少を回避するために就業調整を行う層に対し、健康保険組合の特例を参考に、被用者保険(厚生年金・健康保険)において、任意で従業員と事業主との合意に基づき、事業主が被保険者の保険料負担を軽減し、事業主負担の割合を増加させることを認める特例を設けてはどうか。
○労使折半の原則との関係で例外的な位置づけであること等を踏まえて、時限措置とすることとしてはどうか。
※特例の適用範囲について
・労使折半の原則を踏まえ、必要と考えられる者に限った措置とする観点から、被用者保険の適用に伴う「年収の壁」を意識する可能性のある短時間労働者に限定することを念頭に検討(最大12.6万円の標準報酬月額を想定) など
今のところ、賃金要件(いわゆる106万円の壁)の撤廃については2026(令和8)年10月、企業規模要件(従業員51人以上)の撤廃については2027(令和9)年10月から施行する方向で調整しているようですが、保険料負担割合を任意で変更できる特例の導入のことも合わせて、多くの中小企業等が不安を募らせているようです。中小企業等への追加支援策も検討されていますが、その内容も含めて、今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<第23回 社会保障審議会年金部会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/nenkin_20241210.html
2024.12.11(水曜日)
厚生労働省から、令和6年12月10日に開催された「第15回 労働基準関係法制研究会」の資料が公表されました。
この研究会は、働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等の検討などを目的として設置されたもので、令和6年1月の初開催以降、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理などが行われてきました。
令和6年内に報告書が取りまとめられる予定ですが、今回の会議で、その案(「労働基準関係法制研究会報告書(案)」)が提示されました。報告書の主たる項目は、次のようなものとなるようです。
●労働基準関係法制に共通する総論的課題
1. 労働基準法における「労働者」について
2. 労働基準法における「事業」について
3. 労使コミュニケーションの在り方について
●労働時間法制の具体的課題
1. 最長労働時間規制(実労働時間規制)
2. 労働からの解放に関する規制
3. 割増賃金規制
報道などでは、労働からの解放に関する規制のうち「休日」について、次のような方向性が示されていることが話題になっています。
□ 長期間の連続勤務が生じる可能性がある休日の4週4休の特例を2週2休とするなど、連続勤務の最大日数をなるべく減らしていく措置の検討に取り組むべきである。
□ この点も考慮し、36協定に休日労働の条項を設けた場合も含め、精神障害の労災認定基準も踏まえると、2週間以上の連続勤務を防ぐという観点から、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきであると考えられる。
今後の動向に注目です。詳しくは、こちらをご覧ください。
<第15回 労働基準関係法制研究会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46833.html